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日本画 中路融人
中路融人は1933年に生まれた日本画家です。京都に生まれ育った中路融人は京都市立日吉が岡高校を卒業した後、画家を志し、本格的の勉強していくために、画塾晨鳥社に入塾、山口華楊に師事をし研磨を重ねていくことになります。この中路融人は美しく、郷土愛に満ちた風景画を描く画家として広くしられており、湖国・近江の風景を中心に穏やかで優しい中路融人の人柄を表すような作風で人気を博しています。入塾していた晨鳥社展での活躍はもちろんですが、日展を中心に活躍の場を移し出品を続けて行きます。そして、その日展で日展文部大臣賞を始めとした日本芸術院賞など、画家としても名誉ある賞を多数受賞していることでも知られています。その中路融人の作品でも非常に美しい作品として注目されているのが、1996年に描かれた「映像」です。第28回日展に出品され日本芸術院賞を受賞しているこの作品なのですが、湿地に映える樹々が太陽の赤に果敢なく、情緒的に照らされ、湖面に反射する太陽でまばゆく幻想的な光りに包まれる美しい作品になっています。樹々の枝の1本も功名に描かれており、全てが写実的ながらどこか機械的な雰囲気は全く無く、郷愁を誘いながらも心の奥に眠る日本人の琴線に触れるような、不思議な魅力を持ち合せた作品です。そして、以前の作風ではまた風合いが変わり、温和で柔らかな印象を受ける作品が多数存在しています。1975年に描かれ、日展での特選賞を受賞している冬田では、雨上がりで所々に水たまりが残る冬の田んぼが描かれています。どこか、優しげなタッチで描かれ、親近感が湧くような土の青臭く、郷土的な香りが感じ取れるような作品です。どちらも中路融人らしい、日本の四季を愛する精神に満ちあふれており、日本人の心を掴むような作品となっているのです。中路融人は現役を続けながら晨鳥社展の会長となったり日展の理事長なども歴任し後進の指導にも貢献します。日本の心を絵画で伝え続ける中路融人。彼の哀愁漂う美しい郷土画は、今後何年でも語り継がれる作品となっていくことでしょう。
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